がん医療の状況

がん医療の状況

 癌患者を取り巻く環境について

日本で1年間に癌に罹患する患者数は2001年の統計で約60万人でしたが、2013年には約90万人まで増加すると予測されています。さらに、高 齢化が進むとともに外科手術などの侵襲的な治療が難しい患者さまは増加し、これらの患者さまに対してピンポイントで癌病巣のみを治療する高精度放射線治療 のニーズが急増しています。欧米では、新規癌罹患患者の約60%が放射線治療を受けていますが、日本ではまだ低く2013年にやっと40%を超えると予測 されています。

従来の放射線治療と強度変調放射線治療(IMRT)の比較

従来の放射線治療ではがん病巣の周囲やがん病巣の中に重要な正常臓器が存在した場合に、がん病巣を制御できるまでの充分な線量を照射することができ ないという弱点がありました。強度変調放射線治療(IMRT)では、放射線を照射する範囲や強さをコンピュータで自在に制御し、照射したい範囲と照射した くない範囲の線量を任意に設定することが可能になりました。このことにより正常組織の損傷を低く抑えながらがん病巣を制御するに充分な放射線を集中させる ことができるようになりました。

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スライド左が従来の放射線治療、スライド右が強度変調放射線治療(IMRT)です。いずれも頸椎に対する骨転移の治療計画です。従来の方法では、身 体の左右2方向から照射されていますが、骨転移の領域(赤い輪郭)以外にも周囲の筋肉、頸髄にも治療線量と同様な線量が照射されています。一方、新しい治 療では、身体の各方向から放射線照射する範囲と量を調節し、骨転移の形態(赤い輪郭)に合わせて根治線量を照射し、正常の筋肉や頸髄への照射線量を抑える ことが可能になっています。