ボツリヌス療法のご案内
2019年06月17日
当院では入院患者様に、ボツリヌス療法のご案内をしております。
ボツリヌス療法とは
筋肉を緊張させている神経の働きを抑える、ボツリヌストキシンというお薬を注射します。
ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質(ボツリヌストキシン)を有効成分とするお薬を筋肉内に注射する治療法です。
このお薬には、筋肉を緊張させている神経の働きをおさえる作用があるため、手足のつっぱり(痙縮 けいしゅく)による筋肉の緊張をやわらげることができ、次のようなことが期待できます。
- 手足の関節が動かしやすくなり、日常生活の動作が行いやすくなる
- 関節が固まって動きにくくなったり、変形するのを防ぐ(拘縮 こうしゅく 予防)
- 介護の負担が軽くなる
- リハビリテーションが行いやすくなる
- 痙縮 (けいしゅく)による痛みがやわらぐ
ボツリヌス療法によって筋肉の緊張がやわらいでも、リハビリテーションを行わなければ機能の回復は望めません。リハビリテーションはそのまま継続しながら、ボツリヌス療法を一緒に行うことによって、より日常生活の動作などが行いやすくなることが期待できます。
ボツリヌス療法の効果は、徐々に消えてしまうので、治療を続ける場合には、年に数回、注射を受けることになります。ただし、効果の持続期間には個人差があるので、医師と症状を相談しながら、治療計画を立てていきます。
【痙縮(けいしゅく)とは】
脳卒中の後遺症でよくみられる障害の一つに「痙縮 けいしゅく」という症状があります。
痙縮(けいしゅく)とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動かしにくかったり勝手に動いてしまう状態のことです。
手指が握ったままとなり開きにくい、ひじが曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状がみられます。
脳卒中の発症後、時間の経過とともにまひ(片まひ)と一緒にあらわれることが多い症状です。
※ボツリヌス療法は入院患者様のみへのご提供となります