治療のご案内
修正型電気けいれん療法 m-ECT
m-ECTとは(Modified Electro Convulsive Therapy)の略称です。
日本語では「修正型電気けいれん療法」と訳されます。麻酔薬と筋弛緩剤で全身麻酔を施したうえで、頭部に電極をあて数秒間の電気刺激を与えます。電気刺激により意図的に「けいれん」を起こさせて、脳の機能の改善を図るという治療法です。
治療対象となる方
難治性の統合失調症で幻覚妄想・興奮・緊張状態にある方、または重度の気分障害でうつ状態・そう状態などがある方に適応となります。特に希死念慮のある方、投薬の効果があまりみられない方、投薬での副作用が問題になって十分な治療が出来ない方に適した治療法になります。
副作用について
- 【記憶障害(もの忘れ)】
最も多い副作用です。治療後のことを忘れ、ぼんやりとすることがありますが数時間から数日で改善します。 - 【頭痛】
通電による血流変化、筋収縮、直接の損傷など様々な原因により頭痛を生じます。程度は個人差ですが、数時間で改善します。 - 【筋肉痛】
頻度は少ないですが生じた場合は我慢せず、痛み止めを使用してください。 - 【悪心、嘔吐】
麻酔によるものと治療によるもの、双方の原因により吐き気をもよおすことがあります。
クロザピン治療
当院では上記に加え、クロザピン治療も行っております。
従来の投薬では効果が十分に出ない患者様、副作用が出てしまい必要な用量を投与できない患者様においても効果が期待できるもので「治療抵抗性統合失調症」を効能・効果として国内でも承認されました。
ただし、このお薬には「無顆粒球症」を代表する重篤な副作用が出る可能性もあります。そのため、病院・医療関係者・患者様はあらかじめCPMSというシステムに登録を行うことが義務付けられています。
これは、それぞれの患者様に対して適切な頻度で検査が行われ、安全に使用されているかを絶えず確認するためのものです。当院ではCPMSの管理の下、仮に無顆粒球症等を起こした場合にも早期発見ができ、適切な治療を行うことで回復につなげることができる体制を整えております。