当院の放射線治療

当院の放射線治療

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強度変調放射線治療 定位放射線治療
画像誘導放射線治療 体表面画像誘導放射線治療
治療装置

 

強度変調放射線治療(IMRT)

強度変調放射線治療(IMRT)とは、従来の放射線治療(三次元原体照射、3D-CRT)を進化させたものです。治療中に放射線を照射する形をコンピュータ制御で自在に変化させることにより、放射線をより一層凹凸のある腫瘍の形状に合わせて集中させ、腫瘍に隣接する正常組織が受ける放射線量をさらに少なくすることができます。IMRTでは3D-CRTと比較して治療効果の向上と合併症の低減を図ることができます。

限局性の固形悪性腫瘍が保険適用となっており、前立腺がん、頭頸部がん、肺がん、食道がん、子宮がん、脳腫瘍をはじめ、多くのがんで使用されています。

肺がん

02_肺

肺、心臓、食道、脊髄などの正常組織を避け、副作用が軽減できます。
最近では特に肺、心臓に照射される放射線量が多いと生存率が低下することが示されており、IMRTを積極的に使用しています。

前立腺がん

03_前立腺

直腸、膀胱、大腿骨頭などの正常組織を避け、副作用が軽減できます。
放射線治療と手術のいずれでも生存率は同等であり、治療後のQOLを考慮して放射線治療を選択する患者さんが多数おられます。

頭頸部がん

01_頭頸部

脳、脳幹、脊髄、耳下腺、口腔など、副作用が問題となる正常組織を避け、副作用が軽減できます。
特に3D-CRTで多く見られた耳下腺などの唾液分泌障害による口腔乾燥は、食事摂取に支障をきたし辛いものでしたが、IMRTにより劇的に減少しました。

定位放射線治療(ピンポイント照射)

定位放射線治療(ピンポイント照射)は、比較的小さな病巣に対して放射線のビームを多方向から精密に集中させ、腫瘍に高い放射線量を与える一方で隣接する正常組織が受ける放射線量を少なくすることができます。病状にあわせて1回から数回の照射を行い、1~2週間で終了します。定位放射線治療では3D-CRTと比較して治療期間の大幅な短縮、治療効果の向上と合併症の低減を図ることができます。

頭頸部腫瘍(頭蓋内腫瘍を含む)、5cm以下の肺がん、肝がん、腎がん、前立腺がん、膵臓がん、3個以内の転移性肺がんおよび肝がん、最近では転移性脊椎腫瘍、5個以内のオリゴ転移(小数個転移)など、保険適用が広がっています。

肺がん

04_肺SBRT

3cm以下の腫瘍では90%を超える局所制御が得られ、手術が困難な場合には第一選択となる治療です。
高齢の患者さんなど、手術を希望されない場合にも実施しています。
1~2個の転移性肺がんに対しても、完治を期待して実施しています。

脳転移

05_頭部

5個程度までの転移を対象に実施しています。
従来の全脳照射よりも高い治療効果とともに脱毛、記憶力低下などQOLの低下につながる副作用も劇的に減少しました。

脊椎転移

06_椎体

IMRTと組み合わせることで、3D-CRTでは不可能であった「脊髄を避けつつ病巣へ高線量を照射すること」が可能となりました。
定位放射線治療の治療効果が高く、疼痛緩和効果に加えて、80%~90%の局所制御が報告されています。

画像誘導放射線治療(IGRT)

画像誘導放射線治療(IGRT)では、各治療日の病巣の位置や形の変化に合わせて放射線をより正確に病巣に照射するために、治療の直前に放射線治療室内でCTやX線撮影を行い照射位置の調整を行って治療を行います。治療する部位により病巣の近くに小さな金属製のマーカーを挿入する場合があります。

X線による位置合わせ

X線による位置合わせ

患者体内の骨構造を基準にして画像を正確に融合し、照射位置からのずれを検知し修正を行います。

CTによる位置合わせ

CTによる位置合わせ

腫瘍や臓器を基準にして画像を融合し、照射位置からのずれを検知し修正を行います。

体表面画像誘導放射線治療(SGRT)

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体表面画像誘導放射線治療(SGRT)では、IGRTで用いるCTやX線撮影の代わりに高解像度カメラを使用して患者の皮膚表面をスキャンし、三次元的に1mm以下の精度で位置合わせを行うことが可能です。
X線を用いないため被ばくもありません。

脳定位放射線治療

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顔の前面が開いた圧迫感のない頭部の固定具を使用し、顔表面の位置情報から位置合わせを行います。

乳房温存療法の放射線治療

従来は、皮膚に直接インクで線や印を書く必要があり、患者さんに精神的負担をかけていました。
SGRTではそのようなことはなく、好評をいただいています。

治療装置

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時代の最先端を行く高精度放射線治療装置

壁から天井にかけて明るい風景パネルや壁・床面の温かみある色調など、患者さんの不安感、緊張感を和らげ、リラックスして治療を受けていただけるよう工夫を凝らしています。