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ロコモティブ・シンドロームについて

整形外科

ロコモティブ・シンドローム(ロコモ)について

 骨、関節、筋肉など足腰(運動器)が弱ってしまい自分で動く力(移動機能)が落ちてしまった状態をロコモといいます。ロコモが進行すると、介護が必要になったり寝たきりになったりする危険性が高くなります。

 

・7つのロコチェック

 自分がロコモに該当するかどうかチェックしましょう。1つでも当てはまればロコモの心配があります。

 

・自分はロコモかどうか?

 ロコモかどうかは3つのテスト「ロコモ度テスト」で判定します。(詳細は下記)

 <判定項目>
 ① 立ち上がりテスト(下肢筋力を調べる)
 ② 2ステップテスト(歩幅を調べる)
 ③ ロコモ25(アンケートで身体状態、生活状況を調べる)



 <判定結果>
 ロコモ度1 移動機能の低下が始まっている状態
 ロコモ度2    〃   が進行している状態
 ロコモ度3    〃   が進行し、社会生活に支障をきたしている状態


 詳細はこちら → ロコモティブシンドローム ガイドムービー 


ロコモ度1の人は、筋力やバランス力が落ちてきているのでロコトレ(後述)をはじめとする運動習慣をつけて、タンパク質、カルシウムを含んだバランスの良い食事を摂ることが大切になります。

ロコモ度2の人は、自立した生活が困難になるリスクが高いです。足腰の痛みがある場合は運動器疾患の可能性があります。整形外科専門医の受診をお勧めします。

ロコモ度3の人は、自立した生活が非常に困難になるリスクが高いです。運動器疾患の治療が必要の可能性があります。整形外科専門医による診療をお勧めします。

 

・ロコモの3大原因疾患は

 ⑴ 腰部脊柱管狭窄症
 ⑵ 変形性関節症
 ⑶ 骨粗鬆症

です。これらの疾患は1人1疾患ずつ持っているわけではなく、1人で複数の疾患に罹患していることが多いです。疾患によっては手術療法を行うことでロコモ度が改善するものがあります。腰部脊柱管狭窄症の手術を受ける人のほとんどがロコモ度2に該当していたという報告や、変形性膝関節症の人工関節手術を受ける人のほとんどがロコモ度2でも重症度が進んだ状態であるという報告などがあります(下注釈)。整形外科専門医による診療をお勧めします。

元気で丈夫な足腰を得るために「ロコトレ」を続けることが大切です。ロコトレはたった2つの運動「片脚立ち」と「スクワット」です。正しい方法で無理せず少しずつ毎日行いましょう。詳しくは整形外科専門医にご相談ください。

Fujita N, et al: Lumbar spinal canal stenosis leads to locomotive syndrome in elderly patients. J Orthop Sci, 24, 19-23, 2019

Yamada K, Ogata T, et al: Age independency of mobility decrease assessed using the Locomotive Syndrome Risk Test in elderly with disability: a cross-sectional study. BMC Geriatr, 18, 28, 2018