院長挨拶
放射線治療は、外科手術・薬物療法と並ぶがん治療の重要な柱です。しかし再発・転移を含む複雑ながん診療では、個々の病態に応じた精密な治療計画が必要です。当院では、患者さん一人ひとりに十分な時間をかけ、大病院では難しいきめ細やかな医療を提供しています。
私はこれまで、PET/CTによって転移・再発病変を正確に特定し、その限局した病変に対して積極的に定位放射線治療を行う診療を続けてきました。これは現在前立腺がん領域で注目される転移指向性治療(MDT)の日本における先駆けとも言える取り組みであり、"診断と治療の統合"というセラノスティクスの原点を、核医学と放射線治療の融合として実践してきたものです。
2026年に導入したPSMA-PETは、前立腺がんの微小転移を可視化し、RI標識薬による治療へとつながる狭義のセラノスティクスを実現します。
しかし私は、セラノスティクスをPSMAに限定された概念とは捉えていません。核医学の本質は、「画像で病変を特定し、その病変にピンポイントで治療を届ける」という普遍的な思想にあります。この思想は、FDG-PET、SSTR、α線治療、分子標的薬、免疫治療、さらにはPSMAリガンドに化学療法薬を結合する創薬研究など、多様な治療体系へと広がりつつあります。私はこれを「広義のセラノスティクス」と呼びたいのです。
そして、広島平和クリニックが20年以上にわたり実践してきたPET/CT × 高精度放射線治療によるMDTは、まさにこの広義のセラノスティクスの実践そのものです。PSMA-PETの導入は、その延長線上にある必然の進化にすぎません。
当院は、土曜日・日曜日・祝日も診療を行い、地域の強いニーズに応える体制を維持しています。私自身も日曜日に出勤し、患者さんの診療にあたっています。これからも、"広義のセラノスティクスの近未来を、地域から考え続ける"という姿勢を大切にしながら、放射線治療と先端画像診断の未来を広島から切り拓いてまいります。
院長略歴
広島平和クリニック院長
- 日本医学放射線学会 放射線科専門医
- 日本放射線腫瘍学会 放射線治療認定医
- 日本核医学会 PET核医学認定医
| 昭和52年3月 | 広島大学医学部医学科卒業 |
|---|---|
| 昭和52年5月 | 広島大学医学部附属病院 放射線科 医員(研修医) |
| 昭和53年4月 | 同上 放射線科 助手 |
| 昭和54年6月 | 日本赤十字社広島原爆病院 放射線科 医師 |
| 昭和56年1月 | 広島大学医学部附属病院 放射線科 助手 |
| 昭和57年9月 | 筑波大学粒子線医科学センター 医学研究生 |
| 昭和59年1月 | 広島市立安佐市民病院 放射線科 医師 |
| 昭和61年1月 | 広島大学医学部 放射線医学講座 助手 |
| 昭和62年2月 | 同上 併任講師 |
| 昭和63年3月〜11月 | 米国コロンビア大学医療センター放射線腫瘍部 客員講師 |
| 平成3年6月 | 広島大学医学部 放射線医学講座 講師 |
| 平成4年9月 | 同上 助教授 |
| 平成14年4月 | 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 助教授 |
| 平成16年1月 | 順天堂大学医学部放射線医学講座 教授 |
| 平成16年4月 | 同上 主任教授 |
| 平成17年8月 | 医療法人社団葵会 学術理事(広島平和クリニック 医師) |
| 平成21年3月 | 医療法人社団葵会 広島平和クリニック院長 |
