先輩スタッフ紹介
先輩スタッフ紹介
E病棟(アルコール依存症・亜急性期病棟)
やりがいと楽しさを感じながら仕事をしています!
私は学生時代、一般科での実習をする中で日々の業務が忙しく、患者との関わりがほとんどない看護師の仕事に違和感を感じていました。C2病棟で実習をし、学生である自分と関わり、話をする事で思いを整理する事が出来たという患者さんからの言葉を受け、自分にしかできない看護がここではできるのではないかと感じ、精神科に興味を持ちました。インターンシップに参加し、スタッフ間の仲の良さを改めて感じ、保育所も併設されているここでなら看護師として、一人の女性として長く働いていくことができると思い、新卒で当院に入職しました。私が勤務するE棟はアルコール・亜急性期の病棟なので、なかなか病状が良くならない難しさを感じる時もあります。しかし、衝動性・易怒性のある患者さんが、もうすぐ誕生日なんですと言った私に、「ハッピーバースディトゥーユー」と歌を歌ってくれたりするなど、長期に関わっている事でより深い関係性ができることの嬉しさを感じる事もあり、やりがいを感じています。入職から3年目までは集合教育を月1回勤務時間内で受け、精神科で必要な精神力動理論やセルフケア理論、ストレングスモデルについて学ぶ事ができ、様々な視点からアセスメントを行うことができます。入職前は精神疾患のある患者さんと関わることで、患者さんの感情に自分も影響を受けてしまうのではないかと感じていましたが、自分が辛くなった時・困った時には先輩が声を掛けて下さる、サポーティブな環境です。病棟の先輩方は話を聞くことのプロなので気兼ねすることなく相談をすることができます。自分の考えや思いを聞いて貰う事で、自分の中でも気持ちの整理ができ、先輩からのアドバイスを受けて気持ちを切り替えながら仕事をすることができます。現在は後輩指導を経験し、学生指導にも携わる様になり、今まで教わってきたことをどう教えたら分かりやすいかと悩みながらも、責任感だけでなく楽しさを感じながら仕事をすることができています。
A3病棟(一般内科病棟)
患者様の個別性を大事に“一人の人”として、身体合併症看護に励んでいます!
私は学生時代から精神科医療に興味を持っており、精神科看護に携わりたいと思っていました。身体疾患であれば、個別性を考慮しながらもある程度の治療方針が決まっており、例外はありながらもパスに沿って治療過程を辿っていくことが多いと思います。一方で、精神疾患は同じ統合失調症という診断名で同じ妄想という症状が出現していても、妄想の内容に患者様の背景や思いが表現されていることがあり、一人一人対応の仕方も異なってくることが多いです。精神科医療ほど、個別性を問われる看護はないと思っており、その奥深さに楽しさややりがいを感じます。同時に難しさもありますが、当院ではセルフケア理論とストレングスモデルを用いているため、患者様の夢や強みを活かし、不足するニードをサポートする看護展開、またバイオサイコソーシャルモデルを用いることで「患者」としてだけでなく、「一人の人」として捉えることができます。また、最初から精神科医療に進んでしまうとフィジカルが弱くなってしまうのではという不安もあったため、内科合併症病棟のある当院へ入職し、まずはフィジカルをとA3病棟を希望しました。世の中で高齢化が問題となっているように、当然精神科医療も例外ではありません。精神疾患をもつ患者様も高齢化に伴い、肺炎や心不全といった身体疾患を同時に抱えている方が多くいらっしゃいます。実際に当院で2年間勤め、若い患者様であっても、脳疾患や消化器疾患、癌など様々な身体疾患をもっており、精神科医療でも身体疾患の知識や看護、フィジカルは一般病院と同じように求められることを改めて痛感しています。精神症状により身体の不調を訴えられない患者様が多いことや、精神症状の増悪が実は身体の不調のサインであったこと、うつ病による不定愁訴との鑑別など、一般病院以上にフィジカルが必要とされるのではないかとすら感じます。当院では他病棟研修があるため、精神科病棟に配属されながら内科病棟へ研修に行くことができ、様々な病棟で学ぶ環境が整っていることも一つの魅力だと思います。また、当院はワークライフバランスを重視しているため、しっかりと休暇をとることができます。その人の家庭や環境、体調等を考慮した勤務形態を組んでくれるため、ワークライフバランスという点ではとても働きやすい環境であり、プライベートも充実させながら働くことができています。
特定行為看護師
私は2020年4月から約1年間、獨協医科大学で看護師特定行為研修を受講してきました。研修では「臨床病態生理学」「臨床推論」「フィジカルアセスメント」「臨床薬理学」「疾病・臨床病態概論」「医療安全/特定行為実践」の共通科目を学びました。その後、区分別科目で「末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入」「中心静脈カテーテルの抜去」「中心静脈栄養投与量の調整」「気管カニューレの交換」「脱水の補正」の5行為を選択しました。新型コロナウイルスの影響もありましたが、2021年度で5行為全てを取得することができました。
当院は590床の病院で内科病棟は39床ありますが、差し迫る2025年問題の影響もあり、精神科病棟でも高齢者の入院は多いことで何らかの身体的既往を有しています。また、精神科病棟に入院している患者も身体合併を起こすことは多く、内科医の業務も多忙なことが現状です。そのため、内科常勤医の医療行為負担が少しでも軽減でき、その分を他の患者さんへの内科治療の初動が早期にできるように、特定行為看護師として経験と実践を積んでいきたいと思います。2023年1月現在、日本国内に特定看護師として従事している人数は4.300人とまだまだ少数なのが現状です。特定行為看護師として学んだことを看護部教育の場や内科病棟スタッフへ還元していくと共に、看護師特定行為に少しでも魅力を感じて頂き、一緒に活動して頂ける特定行為看護師が輩出できるように、今後も実績を積み上げていきたいと思います。
感染制御実践看護師
感染対策室
私はICT(インフェクション・コントロール・チーム)の一員として、感染対策室で院内感染予防・対策に取り組んでいます。精神科と聞くと幻覚、妄想、抑うつ状態を思い浮かべても、感染症を思い浮かべる方は少ないのではないでしょうか。確かに一般科に入院している患者様とは違って身体的には健康な患者様が多い(イメージがある)ことは事実です。しかし精神科病院には窓が開かない、施錠された扉が多くあるといった閉鎖的環境や、精神症状のため患者様からマスク着用や自室での安静などの感染予防策への協力を得られにくいといった特殊性が存在します。そのため一度インフルエンザなどの感染症が発生すると瞬く間に病棟中に蔓延することも考えられます。事実、新型コロナウイルスが流行し、今年で4年目となりますが、この3年間は、物資の不足やゾーニングの方法等、いろいろな問題が表面化し、幾度の新型コロナウイルスの集団感染を経験して今に至ります。当初は、この未知のウイルスに対してどの様な対応をとっていくべきか手探り状態でした。ですが、自分1人で抱え込まず、病院長を中心としたICTとして活動することで乗り切ってきました。結果、院内全体に着々と適応能力が備わり始め、現在はICTが積極的に介入せずとも病棟単位で適切な感染防止策をとることができています。日常からマスク、手指消毒等の基本的な感染対策を継続することの重要性を痛感しております。
このように精神科領域においても院内感染対策は切っても切れない重要な問題のひとつです。精神療養のために入院されている患者様を感染症のために入院が長期化してしまうことは避けなくてはなりません。入院されている患者様が安心して療養生活を送れるためには、また精神科臨床が本来の治療やケアに専念できる環境を提供するためには、職員一人ひとりの院内感染予防に係る意識の向上が不可欠です。今後も他職種や他部署、時には地域の医療機関と連携をとりながら、院内感染予防に係る土壌・文化の醸成に取り組んでいきたいです。
褥瘡専任看護師
褥瘡発生と低栄養患者を減らすべく頑張っています!
看護師の資格取得後、当院の急性期病棟に勤務しました。育休からの復帰後、慢性期病棟に異動しました。この時期、前任者より褥瘡専任看護師としての業務を引き継ぎました。当初は病棟業務との兼任でしたが、育児、病棟業務、褥瘡専任看護師として勤務をしていくことが難しくなり、2008年、既にあった准常勤として正職員のまま勤務日数を減らして、褥瘡専任看護師としてのみ勤務するようになりました。現在はNST(褥瘡対策)、嚥下・口腔ケアに関するワーキンググループのメンバーとしても活動しています。
褥瘡専任としての業務は、入院患者の褥瘡発生リスク査定を行う書類の管理、褥瘡予防・早期発見と対策、体圧分散用具の購入検討、医師・管理栄養士との週1回の褥瘡回診、治癒に向けて処置・栄養に関する検討などがあります。全身状態の悪い患者様も多く、褥瘡が一気に悪化してしまう場合もありますが、病棟スタッフと一緒に、早期発見で悪化を防げた時、褥瘡が治癒した時に喜びを感じながら褥瘡専任看護師として働いています。
医療安全管理室リスクマネージャー
臨床の目線で安全な医療を目指しています!
私は平成23年度まで病棟看護科長として勤務していましたが、平成24年4月から看護部を離れて医療安全管理室勤務となりました。医療安全管理室は、院長直属の部署であり医療の安全を推進するための権限を持つ機関です。それまでの病棟で患者様の安全を考えるのと違い、病院全体の医療安全を考える立場へと大きく役割が変化しました。
はじめはその違いに少し戸惑いを感じましたが、現在は医療安全に大きな役割を果たす看護師が配置されたという意味にやりがいを感じて、日々の業務にあたっています。
医療安全には、事故を減らすだけでなく患者様と職員の安全を守り、より質の高い医療を行なうという考え方が必要だと考えています。そして、そのために重要なのが、職員同士や患者様・ご家族様とのコミュニケーションと信頼関係です。私は、医療安全管理室がその組織体制やシステム作りに効果を発揮できるよう、様々な部署や患者様やご家族様とお話をさせてもらう機会をいただいています。それぞれの視点で病院を見ることは、新たな気づきを得ることができ、新鮮な気持ちで取り組めています。
社会的にも信頼される病院づくりに貢献できることを誇りに、これからも楽しく働いていきたいと思います。
摂食嚥下認定看護師
私は以前、県立病院の精神科に勤務しておりました。前職場では、実習指導者や管理職も経験し、長く精神科の看護師として君むしましたが、自分の中で「これができる」と自信を持てるものがありませんでした。その頃、認定看護師制度が出来はじめ、当初は摂食嚥下に興味があったわけではなかったのですが、上司からの勧めもあり資格取得をしました。資格取得後も前職場で10年ほど勤務しましたが、摂食嚥下看護師としての活動が充分に行えず、また管理職との並行でもあった為、もっと資格を活かした看護実践がしたいと思う様になりました。そこで一念発起して上京し、以前から興味を持っていた当院へ入職しました。入職後2.3か月目から摂食嚥下ラウンドを回りはじめており、最近では、各病棟からの勉強会や、研修においての講師依頼、NST部会からの依頼も入って来ています。また、日本看護協会からの研修依頼もあります。
入職して3年が経ちますが、病棟職員から直接声をかけて頂ける機会も増えてきており、院内で摂食嚥下認定看護師としての認知度が少しずつ上がってきていることを実感しています。当院の魅力は、精神疾患の患者様はもとより、口から食べたくても食べられないなど摂食嚥下の問題を抱えた様々な事例と関わることができる所です。困難な事例が生じた際には、認定看護師教育課程で一緒に学んだ仲間との交流を今でも継続しているので、情報交換や各々の活動を共有し、問題解決の参考にしています。
今後は、月4回の活動を継続しつつ、1人でも多くの患者様が「美味しく楽しく安全に」食べられるように環境を整え、何であれば食べられるか、どうしたら食べられるか等、患者様の生活に密着し、希望にどこまで近づけられるかを目標に実践し、患者様の精神の安寧につなげていきたいです。また、様々な制約の多い入院生活の中で、いかにその人らしく生活できるかを考え、患者様の人生を支える看護を実践していきたいです。