ごあいさつ
理念
患者様・ご家族様との信頼関係を築き、人権に配慮した安全な医療を提供します。
基本方針
- 治療・教育・予防を3本柱として「力動的チーム医療」を実践します。
- 急性期から回復期までの総合的な治療とリハビリテーションを提供します。
- 地域の医療・保健・福祉と連携して、一貫したサービスに努めます。
当院は都内23区と多摩地区との間、三鷹市に位置し、目の前には野川が流れ、春は桜や菜の花が咲き、ウグイスが鳴き、カワセミが飛び、秋から冬の朝には冠雪の富士山を眺めることができる環境にあります。
このような豊かな環境に囲まれた中、患者様・ご家族との信頼関係を築き、長谷川病院で治療をしてよかったと思っていただけるような病院でありたいと考えております。
エビデンス(証拠・根拠)という言葉を一般的にも耳にするようになってきました。医療の分野では、EBM(Evidence-Based Medicine:科学的根拠に基づいた医療)という言葉がよく使われます。医療の標準化という点で、治療ガイドラインなどのEBMが重要であるのは疑いの余地はありません。しかし、精神科医療では、病気だけでなく、人を診ることや個人のQOL(Quality of Life:生活の質)を見据えた治療の選択が必要となり、画一的な治療だけでは、効果が十分でないこともあります。病気を治すという視点以外に、個別性を重視し、試行錯誤しながら最適解をみつけていくような柔軟性が求められます。そのためには、患者様やご家族との信頼関係の醸成はもちろんのこと、治療の選択肢が多様であることが必要です。
当院は、多職種の視点によるチームで治療を行っており、また、退院、社会復帰に向けては、外来(当院・サテライトクリニック)、訪問診療、訪問看護、デイケア、そして作業所、グループホームなどの地域資源も含めた包括的アウトリーチを、個々の状況に応じて提案させて頂いております。ソーシャルワーカーの人数は、精神科医師数と同等で、患者様だけでなく、ご家族、医療機関、支援者・関係者の方々との連携もとりやすくしています。
また、当院は国内で最大規模の精神科救急医療に取り組んでおり、必要時、迅速に治療的な介入ができるようにしております。治療方法は、上記チーム医療を基に症状を評価し、薬物療法(クロザピンや様々な剤型の向精神薬を含む)、精神療法、認知行動療法、心理カウンセリング、麻酔科医と連携したmECT(修正型通電療法)、作業療法、音楽療法、芸術療法など多様なアプローチを準備しております。内科病床を有しており、身体合併症を持つ患者様に、その治療を同時に行っていくことが可能です。回復期に時間を要する場合は、療養型病棟や社会復帰病棟で、精神科・身体科のリハビリテーションを行います。
長谷川病院では、このような数多い治療選択肢を持って、EBMを踏まえながらも、個別性を重視した全人的な治療を一貫して継続していきたいと考えております。また、救急・急性期~亜急性期~回復期~外来、クリニック、在宅診療と、連続性のある地域包括ケアシステムを構築し、さらに充実した医療を提供できるように整備していきます。
今後も、病院機能のより一層の充実に努め、患者様、ご家族、都内の医療機関など、皆様に信頼される病院づくりを目指し、また、職員も当院で働くことにやりがいを感じられる病院でありたいと考えております。
長谷川病院 院長 堀 達