当院における摂食障害の入院治療
摂食障害とはさまざまな原因から食行動異常を来たす病気です。神経性やせ症(拒食症)と神経性過食症(過食症)にわかれますが、前者の場合は、極度の低栄養状態から様々な身体的な合併症を来たします。そのため、精神面のみならず身体面にも十分配慮した治療が必要となります。精神科で治療ができる病院は少なく、内科では精神症状の治療の必要性のために、継続した治療ができなくなることもあります。
当院は、精神科と内科の病棟を有しており、生命の危険があるような極度の低栄養状態の場合は、まず栄養療法を優先し、内科病棟で身体治療を行います。ある程度栄養状態が改善した後、精神科病棟に移り、食行動是正のための治療を継続します。
精神科病棟では、行動療法としての栄養療法や食行動是正や動機づけ強化などの心理教育を行います。多職種によるチーム医療で、患者様向けの勉強会を開催し、病気への理解や食行動への洞察を深めてもらいます。
摂食障害からの回復は、本人の成長、発達も関係するため、入院期間だけで解決するものではなく、長期的な治療が必要となります。
入院による治療は、一旦、家族と距離をおくことで、自分を客観的に見直す機会が得られ、患者様の新たな気づきや成長のきっかけにもなります。
当院でそのお手伝いが出来ればと考えております。