再発がん治療について

再発がん治療

「再発がん」とは、手術や抗がん剤、放射線治療などでがん治療を行った後に、完全に治りきらなかったがんが徐々に大きくなって再び現れることをいいます。また、がん細胞がリンパ管や血管に入り込んで、最初のがん(原発巣)とは離れた場所にがんが現れることを転移といいます。

当院では、再発がんや離れた場所に転移したがんに対して、次の治療が困難な場合にも最後まであきらめずピンポイント照射により再発がん治療を積極的に行っています。下図は子宮頸がんと腹部・骨盤リンパ節転移に対して、従来の方法の4門照射による拡大照射(1.8グレイ×28回=50.4グレイ+2グレイ×3回=6グレイ、合計56.4グレイ)を行った後に、腹部リンパ節に再発を認め、再治療が困難になったために当院に紹介された症例です。

青色は放射線照射の50%線量強度、黄色のラインは胃を示していますが、左の図の4門照射では胃にある程度の強度の放射線が照射されています。そこで、当院では放射線照射により障害が出やすい胃に強い放射線が照射されないようにピンポイント照射で再治療(3グレイ×15回=45グレイ)を行いました。

このように、従来の方法では困難であきらめていた再発がんに対して、高精度放射線治療により再照射が可能な場合があります。もちろん、症例によっては再治療が困難な場合もありますのでお問い合わせください。
放射線治療後の再発がんに対するピンポイント再照射の例
(左:従来の拡大照射、右:高精度放射線治療によるピンポイント再照射)