頭部
症例1 : 乳癌術後 脳転移
30代女性。脳MR検査で脳転移を指摘され、治療目的で当院を受診しました。 右前頭葉に2個の濃染する病変がみられましたが、定位放射線治療により消失しました。
治療方法 | 脳定位放射線治療 |
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治療標的 | 造影CT、造影MRIにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
1回線量 : 7グレイ 分割回数 : 5回 総線量 : 35グレイ |
治療期間 | 約2週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 5日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約20万円 |
リスク・副作用 |
急性期 頭痛、脱毛、皮膚炎、吐き気、倦怠感など 晩期 脳壊死、認知力低下、ふらつき、聴力低下など |
症例2 : 涙嚢腺癌
70代女性。前医では治療方針として「眼球摘出」を提示されましたが、右眼の視力と美容の温存を希望され、当院を受診されました。 右内眼角に長径3cm大の濃染する病変がみられましたが、放射線治療により消失しました。 また、右眼球・右視力も温存できました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、造影MRIにて濃染する病変 |
線量 |
1回線量 : 3グレイ 分割回数 : 22回 総線量 : 66グレイ |
治療期間 | 約6週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 5週間 |
費用 | 保険診療、3割負担で約24万円 |
リスク・副作用 |
急性期 頭痛、脱毛、皮膚炎、吐き気、倦怠感など 晩期 脳壊死、視力・視野障害、白内障、角膜炎、網膜炎など |
症例3 : 乳癌脳転移 放射線治療後 再照射例
50代女性。小脳転移に対して定位放射線治療を実施しました。 治療1年後の造影MR検査で再発が疑われたため、メチオニンPET検査を行いました。 左小脳半球に三日月状のメチオニン集積がみられましたが、10回の定位放射線治療により消失しました。
治療方法 | 脳定位放射線治療 |
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治療標的 | メチオニンPET、造影MRIにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
1回線量 : 3.5グレイ 分割回数 : 10回 総線量 : 35グレイ |
治療期間 | 約3週間の通院治療 ・治療計画 : 3日 ・治療 : 10日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約20万円 |
リスク・副作用 |
急性期 頭痛、脱毛、皮膚炎、吐き気、倦怠感など 晩期 脳壊死、ふらつき、小脳失調症状 |
頭頸部
症例1 : 下咽頭癌
60代男性。前医では治療方針として「喉頭全摘術」を提示されましたが、喉頭機能の温存を希望され、当院を受診されました。右被裂に隆起する腫瘤病変が見られましたが、抗がん剤治療を併用した放射線治療により消失しました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、造影MRI、PET-CTにて腫瘍とみなされる病変 |
線量 |
1回線量 : 2.4グレイ 分割回数 : 30回 総線量 : 72グレイ |
治療期間 | 約7週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 30日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約35万円 |
リスク・副作用 |
急性期 口内痛、嚥下痛、皮膚炎、食欲不振、倦怠感、吐き気など 晩期 口渇、甲状腺機能低下など |
症例2 : 中咽頭癌
60代男性。他県総合病院で進行中咽頭癌の診断を受けられ、通常照射での放射線治療を提示されましたが、強度変調放射線治療(IMRT)を希望され当院を受診されました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、造影MRI、PET-CTにて腫瘍とみなされる病変 |
線量 |
1回線量 : 2.5グレイ 分割回数 : 27回 総線量 : 67.5グレイ |
治療期間 | 約7週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 27日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約35万円 |
リスク・副作用 |
急性期 口内痛、嚥下痛、皮膚炎、食欲不振、倦怠感、吐き気など 晩期 口渇、甲状腺機能低下など |
胸部
症例1 : 肺腺癌
70代女性。患者さんは脳梗塞を患い、左半身麻痺の状態でした。呼吸機能も不良であることから負担の少ない定位放射線治療を希望され、当院を受診されました。
治療方法 | 定位放射線治療 |
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治療標的 | 造影CT、PET/CTにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
・1回線量 : 12グレイ ・分割回数 : 4回 ・総線量 : 48グレイ |
治療期間 | 約2週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 4日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約30万円 |
リスク 副作用 |
急性期 ほとんどなし 晩期 放射線肺臓炎、胸部痛、肋骨骨折など |
症例2 : 大腸癌術後 肺転移
70代女性。大腸癌術後の経過観察中に腫瘍マーカーが上昇。PET/CT検査が行われ、右肺に転移が発見されました。
治療方法 | 定位放射線治療 |
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治療標的 | 造影CT、PET/CTにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
・1回線量 : 14グレイ ・分割回数 : 4回 ・総線量 : 56グレイ |
治療期間 | 約2週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 4日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約30万円 |
リスク 副作用 |
急性期 ほとんどなし 晩期 放射線肺臓炎、胸部痛、肋骨骨折など |
症例3 : 食道癌
80代男性。嚥下困難が主訴。リウマチ肺臓炎既往のため他院では「根治照射の適応なし」と診断されました。その後、当院をインターネットで検索し、治療目的で来院されました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 |
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治療標的 | 造影CT、PET-CTにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
・1回線量 : 2グレイ ・分割回数 : 25回 ・総線量 : 50グレイ |
治療期間 | 約6週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 25日 |
費用 | 保険診療、2割負担で約20万円 |
リスク 副作用 |
急性期 嚥下痛、食欲不振、倦怠感、吐き気など 晩期 放射線肺臓炎、胸部痛、肋骨骨折など |
症例4 : 乳癌術後 骨転移
40代女性。胸骨転移に対して他院で放射線治療 (30グレイ) を受けましたが、その半年後に再発。救済治療目的で当院を受診されました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | PET/CT、MRIにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
・1回線量 : 3グレイ ・分割回数 :20回 ・総線量 : 60グレイ |
治療期間 | 約5週間の通院治療 ・治療計画 : 3日 ・治療 : 20日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約22万円 |
リスク 副作用 |
急性期 放射線皮膚炎など 晩期 放射線肺臓炎、骨折など |
症例5 : 肺腺癌術後 リンパ節転移
70代女性。肺癌術後の経過観察で腫瘍マーカーが上昇。PET-CT検査にて気管分岐部にリンパ節転移が発見されました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、PET-CTにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
・1回線量 : 3グレイ ・分割回数 :22回 ・総線量 : 66グレイ |
治療期間 | 約6週間の通院治療 ・治療計画 : 1日 ・治療 : 22日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約27万円 |
リスク 副作用 |
急性期 食欲不振、嚥下痛、倦怠感など 晩期 放射線肺臓炎など |
症例1 : 食道癌術後
60歳代男性。食道癌の手術後に再発し、抗がん剤治療を受けましたが悪化。救済照射目的で受診されました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、PET/CTにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
・1回線量 : 3グレイ ・分割回数 : 23回 ・総線量 : 69グレイ |
治療期間 | 約5週間の通院治療 ・治療計画 : 1日 ・通院 : 5週間 |
費用 | 保険診療、3割負担で約30万円 |
リスク 副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、吐き気、白血球減少症、血小板減少症など |
症例2 : 直腸癌術後 肝転移
50歳代男性。直腸癌術後の経過観察中に腫瘍マーカーが上昇。PET-CT検査の結果、肝右葉に肝転移が発見されました。
治療方法 | 体幹部定位放射線治療 (SBRT) |
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治療標的 | 造影CT、PET/CTおよび造影MRIにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
1回線量 : 6グレイ 分割回数 : 10回 総線量 : 60グレイ |
治療期間 | 約3週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・通院 : 2週間 |
費用 | 保険診療、3割負担で約20万円 |
リスク 副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、吐き気など |
症例3 : 肝細胞癌
60歳代男性。肝硬変の経過観察中に腫瘍マーカーが上昇。造影MR検査により肝右葉に多血性腫瘍が発見されました。
治療方法 | 体幹部定位放射線治療 (SBRT) |
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治療標的 | 造影CT、造影MRIにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
1回線量 : 12グレイ 分割回数 : 4回 総線量 : 48グレイ |
治療期間 | 約2週間の通院治療 ・治療計画 : 1日 ・通院 : 4日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約20万円 |
リスク 副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、吐き気など 晩期 放射線肝臓炎 (極めてまれ) |
症例4 : 腎盂癌
60代女性。化学療法 (GC療法)を受けていましたが、効果がなくなったため救済治療目的で当院紹介となりました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (SBRT) |
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治療標的 | 造影CT、PET-CTにて腫瘍とみなされる病変 |
線量 |
1回線量 : 3グレイ 分割回数 : 22回 総線量 : 66グレイ |
治療期間 | 約5週間の通院治療 ・治療計画 : 1日 ・通院 : 22日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約25万円 |
リスク 副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、吐き気など |
症例5 : 肺癌 副腎転移
50代女性。主訴は癌性疼痛 (がんによる痛み)。4期の肺癌と診断され化学療法を受けましたが、右副腎転移には効果がなく、救済治療目的で当院紹介となりました。。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (SBRT) |
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治療標的 | 造影CT、PET-CTにて腫瘍とみなされる転移巣 |
線量 |
1回線量 : 3グレイ 分割回数 : 20回 総線量 : 60グレイ |
治療期間 | 約5週間の通院治療 ・治療計画 : 1日 ・通院 : 20日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約25万円 |
リスク 副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、吐き気など |
骨盤
症例1 : 膀胱癌
90代男性。浸潤性膀胱癌のため膀胱全摘術を提案されましたが、膀胱温存を希望されたため当院紹介となりました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、造影MRIにて腫瘍とみなされる病変 |
線量 |
1回線量 : 5グレイ 分割回数 : 10回 (週2回) 総線量 : 50グレイ |
治療期間 | 約6週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 10日 (週2回) |
費用 | 保険診療、2割負担で約10万円 |
リスク・副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、吐き気、排尿痛など 晩期 出血性膀胱炎など |
症例2 : 卵巣癌術後
60代女性。卵巣癌術後に化学療法を受けられましたが、ダグラス窩播種には効果が無く、救済治療目的で当院紹介となりました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、造影MRIにて再発腫瘍とみなされる病変 |
線量 |
1回線量 : 3グレイ 分割回数 : 20回 総線量 : 60グレイ |
治療期間 | 約6週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 20日 |
費用 | 保険診療、2割負担で約22万円 |
リスク・副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、吐き気、腹痛など 晩期 放射線腸炎など |
症例3 : 直腸癌
80代男性。総合病院にて根治治療の適応なしと診断され、当院には癌性疼痛(がんによる痛み)の改善目的で紹介となりました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、造影MRI、PET-CTにて腫瘍とみなされる病変 |
線量 |
1回線量 : 2グレイ 分割回数 : 30回 総線量 : 60グレイ |
治療期間 | 約7週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 30日 |
費用 | 保険診療、2割負担で約22万円 |
リスク・副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、吐き気、腹痛など 晩期 放射線腸炎、放射線膀胱炎など |
症例4 : 子宮内膜腫瘍術後
50代女性。子宮内膜腫瘍の術後に右腰痛があり、PET-CT検査にて右腸骨リンパ節転移が発見されました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、造影MRI、PET-CTにて再発腫瘍とみなされる病変 |
線量 |
1回線量 : 3グレイ 分割回数 : 22回 総線量 : 66グレイ |
治療期間 | 約6週間の通院治療 ・治療計画 : 2日 ・治療 : 22日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約26万円 |
リスク・副作用 |
急性期 食欲不振、倦怠感、腹痛、白血球減少症、血小板減少症など 晩期 放射線腸炎など |
再発や転移に対する治療
再発・進行がんは局所再発、遠隔転移など様々な病態を呈するので、教科書的な一律のアルゴリズムで治療することはできません。当院は高精度放射線治療専門クリニックとして、患者さまの個々の病態に合わせた綿密な治療計画を立案し、治療を行っています。
症例1 : 4期上咽頭癌 放射線治療後再発 再照射
60代男性。患者さんは4期上咽頭癌の診断のもと標準化学療法を同時併用した放射線治療70グレイを受けました。治療1年後のPET-CT検査にて右傍咽頭リンパ節転移を指摘され、放射線再照射となりました。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、PET-CTにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
1回線量 : 3グレイ 分割回数 : 20回 総線量 : 60グレイ |
治療期間 | 約6週間の通院治療 ・治療計画 : 1日 ・治療 : 20日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約23万円 |
リスク・副作用 |
急性期 咽頭痛、味覚障害、吐き気、食欲不振など |
症例2: 4期胃癌
70代女性。4期胃癌と診断され、オプジーボによる治療を受けていましたが、リンパ節転移には効果がなく、呼吸困難を治療する目的で当院紹介となりました。縦隔のリンパ節転移に対して放射線治療を行い、PET-CTにて照射範囲の集積が消失しました。また、照射していない腹部の集積も消失しました (アブスコパル効果)。
治療方法 | 強度変調放射線治療 (IMRT) |
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治療標的 | 造影CT、PET-CTにて腫瘍病変とみなされる転移巣 |
線量 |
1回線量 : 2.5グレイ 分割回数 : 22回 総線量 : 60グレイ |
治療期間 | 約6週間の通院治療 ・治療計画 : 1日 ・治療 : 22日 |
費用 | 保険診療、3割負担で約45万円 |
リスク・副作用 |
急性期 間質性肺炎、嚥下痛、食欲不振、倦怠感、肝障害、腎障害など 晩期 放射線肺炎 |
その他症例
頭部 | ケース1 | 下垂体腺腫(72歳・男性) |
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ケース2 | 多発性脳転移(3箇所)(72歳・男性) | |
ケース3 | 多発性脳転移(複数個)(51歳・女性) | |
頚部 | ケース4 | 中咽頭癌(45歳・女性) |
ケース5 | 頸部悪性リンパ腫(77歳・男性) | |
ケース6 | 頸髄硬膜内髄外腫瘍(64歳・男性) | |
胸部 | ケース7 | 直腸癌縦隔リンパ節転移(61歳・男性) |
ケース8 | 肺癌(78歳・男性) | |
ケース9 | 食道癌胸膜転移(63歳・男性) | |
腹部 | ケース10 | 膵癌(89歳・女性) |
ケース11 | 肝癌副腎転移(74歳・女性) | |
ケース12 | 肝癌再発(82歳・女性) | |
骨盤 | ケース13 | 前立腺癌(75歳・男性) |
ケース14 | 子宮頸癌術後骨盤内再発(42歳・女性) | |
ケース15 | 子宮頸癌骨盤内再発(72歳・女性) | |
その他 | ケース16 | 肺癌頸椎転移 |
ケース17 | 腎癌頭蓋骨転移(61歳・男性) | |
ケース18 | 副鼻腔腫瘍(悪性黒色腫)(89歳・女性) |