がん治療について
がんの現状
がんは1981年以降、現在に至るまで死因の第1位*1であり、いまや日本人の2人に1人が一生のうちにがんと診断される時代です (2018年の生涯がん罹患リスク…男性:65.0%,女性:50.2%)*2。一方、2020年におけるがんが直接の原因となって死亡する確率は、男性が4人に1人 (26.7%)、女性が6人に1人 (17.9%)*3であり、罹患リスクと比較して低い結果となっています。これは主に、検査装置の進歩によりがんの早期発見が増えたことや、治療技術の進歩に伴い治療の選択肢が広がったことなどが要因と考えられます。がんは以前と比べてより身近な病気になったことを認識し、早く見つけて早くがん治療を行うことがとても大切です。
【出典】
*1厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況」
(性別にみた死因順位(第10位まで)別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合)
*2国立がん研究センターがん情報サービス「累積罹患リスク(グラフデータベース)」
*3国立がん研究センターがん情報サービス「累積死亡リスク(グラフデータベース)」
*1厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計(確定数)の概況」
(性別にみた死因順位(第10位まで)別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合)
*2国立がん研究センターがん情報サービス「累積罹患リスク(グラフデータベース)」
*3国立がん研究センターがん情報サービス「累積死亡リスク(グラフデータベース)」
がんの四大治療法
現在、がんの治療法として主に知られているのは、①手術(外科的治療)、化学療法(抗がん剤)、②放射線治療、④免疫療法の4つで、これらをがんの四大治療法と呼んでいます。日本国内では、従来は新規がん治療として手術が選択されることが多く、特に放射線治療の割合は欧米の約65%と比べて約25%と低い傾向にありました。しかし近年は、化学療法や放射線治療の技術が著しく進歩し、がんの種類やステージ(病期)によっては手術と変わらない効果が認められることが分かってきました。
がんの集学的治療
がんの種類やステージによっては、単独の治療法による治療成績の向上に限界があることから、近年では「がんの集学的治療」、すなわち四大治療法を適切に組み合わせ、そこに緩和ケアなどを併用する方法が主流となっています。2つ以上の治療法を組み合わせることで、より大きな治療効果が期待できるのです。そのためにはそれぞれの治療法の特長をよく理解し、がん以外の既往歴や生活環境などを考慮したうえで、患者様にとってもっとも効果の期待できる治療法を選択することが重要です。近年、免疫療法と放射線治療を組み合わせた「免疫放射線治療」は特に注目されており、放射線治療の照射範囲の外のがんも小さくなる「アブスコパル効果」による良好な成績が多く報告されています。