麻酔科
私たち麻酔科医は、日々麻酔を受けられる患者様の安全を考えて仕事をしています。
そのために「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の格言のごとく、患者様の病気の既往歴・現在の
持病とその治療法・アレルギー等の体質・体型・骨格・歯の状態・術前検査データ等の様々な情報を
収集した上で、手術の術式に対し最も安全な麻酔方法を選択し、可能な限り万全を期することを目
標にしています。
しかしながら緊急手術などの一刻を争う状況下では、精密検査を追加している時間をとることが患
者様の不利益になることもあるので、不十分な情報だけで臨機応変に麻酔を行わざる得ないことも
あります。私たちは麻酔をかける前に術前診察を行い、麻酔方法とその合併症を説明し、患者様や親族から麻
酔の同意書をいただいた上で麻酔を施行しています。
患者様は以下の項目で該当するものがあればメモを取っておいて術前診察の時に教えて下さい。
●てんかん ●高血圧 ●糖尿病 ●緑内障(眼圧が高いと言われたことがある方) ●喘息 ●睡眠時無呼吸症候群 ●動脈瘤を指摘されたことがある方 ●首の動きに制限がある方や首の手術をしたことがある方 ●心臓に病気のある方 ●軽い運動ですぐに息切れしてしまう方 ●COPD、肺気腫、じん肺、気胸、肺炎などの診断を受けたことがある方 ●肝臓や腎臓の治療を受けている方 ●「血液サラサラになる薬」と呼ばれている血が固まりにくくなる薬を内服されている方 ●触るだけで揺れる歯や取れそうな歯がある方 ●血縁者で麻酔をうけて異常があった方(悪性高熱症等) |
以上の項目の中でグラついている歯がある方は、歯科を受診して麻酔をかけた時に歯が取れない
ように治療してきていただけるととても助かります。
また「血液サラサラになる薬」を内服されている方は手術前に休薬をしなければいけない薬がある
ので主治医に確認してください。
当院ではインフォームドコンセントを重要視しているので、麻酔方法とその合併症を詳細に説明
してある「麻酔を受ける患者さんへ」という冊子を麻酔科診察時にお配りしています。
この冊子を読んで「麻酔って恐ろしいですね」と言われる方がいらっしゃいますが、そのリスクを
下げるために私たち麻酔科医が存在しているのです。