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脳神経外科

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『最新topic』

日本脳卒中協会では2021年から毎月10月を、脳卒中月間としております。
※日本脳卒中協会様より引用
当院では、脳卒中協会様よりご提供頂きました、ポスターを院内に掲示しております。
脳卒中協会様のページでは、脳卒中に関して学べる動画等も御座いますので、是非、脳卒中予防に役立てて下さいます様お願い申し上げます。
引用元;日本脳卒中協会

 

 

脳神経外科とは

脳の病気に対する治療を行う診療科です。
脳の病気は手足のしびれや運動麻痺、言語の障害から、頭痛、けいれん発作など様々な症状を引き起こします。その中でも、緊急治療を必要とする脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や、その脳卒中を予防するための手術、また頭部外傷や脳腫瘍など、脳の病気を専門とするのが脳神経外科です。以下のような疾患を取り扱っております。

対象疾患

疾患名を押すと疾患の説明に移動します。
脳卒中脳血管障害脳腫瘍
顔面けいれん・三叉神経痛慢性硬膜下血腫特発性正常圧水頭症(iNPH)

 

脳卒中

脳卒中とは脳の血管が詰まったり、血管が破けたりすることで起きる疾患です。突然に発症することが多く、緊急処置が必要な可能性があります。

  1. 脳梗塞:脳の血管が詰まってしまい、脳に血流が流れずに脳細胞が死んでしまう状態です。緊急カテーテル手術の適応になる場合があります。(写真1)
  2. 脳出血:脳の血管が破けて脳内に出血が起きた状態です。緊急手術が必要な場合があります。(写真2)
  3. くも膜下出血:脳の周囲で出血が起きた状態です。突然の非常に強い頭痛後に吐き気を伴い、意識がなくなる場合があります。3割の患者さんがお亡くなりになる大変怖い病気です。脳動脈瘤(動脈のコブ)が破けて起こる場合が多く、緊急手術(開頭術やカテーテル治療)が必要になる場合があります。(写真3)
1:脳梗塞の一例
1:脳梗塞の一例
2:脳出血の一例
2:脳出血の一例
3:くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)の一例
3:くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)の一例

*脳梗塞の超急性期治療

以前は有効な治療がなく、重度の後遺症が残る病気でした。しかし、近年は2つの治療方法により、症状が劇的に改善する可能性があります。

  1. t-PA静注療法
    t-PAというお薬を注射して血栓を溶解させます。(4.5時間以内)
  2. 機械的血栓回収術(血管内治療)
    カテーテルを用いて脳の血栓に到達し、ステントや吸引カテーテルを用いて直接回収して取り除きます。(最長で24時間以内)

*これらの治療は発症してから限られた時間内に行う治療になります。

超急性期脳梗塞の再開通療法(機械的血栓回収術)の一例

治療前MRI

血管内治療(治療前→治療後)

 治療後MRI

脳卒中は一刻を争う病気です。症状が出現したら、救急車を呼びましょう。

こんな症状はすぐに救急車を!(脳卒中が特に疑わしい症状)

  • 片側の手足が動かない
  • 呂律(ろれつ)が回らない
  • 言葉がでない、うまくしゃべれない
  • 突然の、今まで体験したことのない強い頭痛

日本脳卒中学会認定一次脳卒中センター

一次脳卒中センター(PSC)

当院は、日本脳卒中学会より一次脳卒中センターに認定されました。

一次脳卒中センター(PSC)とは

一次脳卒中センター(PSC)

脳血管障害

これまで脳卒中を発症していなくても、将来、脳卒中を起こす可能性が高い病気があります。これらの病気に対して脳卒中予防の治療を行うことがあります。

頚部頚動脈狭窄症

頚動脈狭窄症とは脳を栄養する首の血管が動脈硬化などの原因により狭くなる病気です。糖尿病・高血圧・脂質代謝異常症など生活習慣病を有する患者さんや喫煙される方に多く見られ、症状がないまま進行して、ある日突然脳梗塞に、ということがしばしば起こります。また、脳梗塞を繰り返す原因となることがあります。その脳梗塞の危険度に応じて、内服治療や手術を行っています。手術は頚動脈内膜剥離術(全身麻酔で切開する手術)と頚動脈ステント留置術(局所麻酔で切らない手術)があり、当院ではどちらの治療も行っております。

頸動脈内膜剥離術(全身麻酔)の一例

術前CT(高度狭窄)

頸動脈の露出

プラークの摘出

術後CT(狭窄改善)

経皮的頸動脈ステント留置術(局所麻酔)の一例

超音波検査(血流速度の上昇)

術前CT(高度狭窄)

術前撮影

ステント留置後

未破裂脳動脈瘤

脳動脈瘤とはくも膜下出血の原因となる病気です。脳動脈瘤は破裂するまで症状が全くないことが多く、脳ドックやその他の脳の検査を行った際、偶然発見されることがあります。脳動脈瘤が破裂する可能性は大きさや動脈瘤の場所などによって様々です。小さい動脈瘤は必ずしも手術が必要なわけではありません。脳ドックや他院の検査で脳動脈瘤の指摘を受けた患者さんは一度ご相談ください。
脳動脈瘤の治療には開頭手術(クリッピング術)と血管内手術(カテーテル手術:コイル塞栓術)があり、当院ではどちらの治療も行っております。カテーテル治療は頭に傷をつけずに治療が可能ですが、動脈瘤の状態によっては開頭手術をお勧めする場合もあります。治療についても随時ご相談を受け付けております。

開頭脳動脈瘤頚部クリッピング術の一例

術前CT(動脈瘤)

開頭と動脈瘤の露出

動脈瘤のクリッピング

術後CT(瘤の完全閉塞)

脳動脈瘤コイル塞栓術の一例

術前CT(動脈瘤)

塞栓術前

塞栓術後

脳(頭蓋内)動脈狭窄症

動脈硬化などの原因により、脳を栄養する血管に狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(つまる)してしまう病気です。狭窄により血栓(血の塊)ができてしまうことや脳の血流が不足してしまうことにより、脳梗塞や、一過性脳虚血発作(脳梗塞にはならなかったものの、一時的に手足の麻痺やしびれ、呂律(ろれつ)の障害が出現すること)を起こすことがあります。
脳の血流が足りない場合や脳梗塞を繰り返す場合は血管吻合術(バイパス手術)や血管拡張術(カテーテル手術)を必要とする場合があります。

浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術の一例

術前MRI

血管吻合前

血管吻合後

術中ICG

術後MRI

脳動静脈奇形(AVM)

脳に異常な血管の塊ができる病気です。脳出血を起こすことや、出血がなくても頭痛やけいれん発作などの症状が出現することがあります。治療は血管奇形の摘出術の他、血管内治療による塞栓術(Onyx、NBCA、プラチナコイル)や放射線治療(ガンマナイフ、サイバーナイフ)を組み合わせて行います。

脳動静脈奇形(AVM)塞栓術の一例

塞栓前(正面、側面)

塞栓物質(側面)

塞栓後(側面)

硬膜動静脈瘻(DAVF)

脳周囲の血管の異常により、さまざまな症状を引き起こす病気です。頭痛や拍動性の耳鳴り、目の充血、物が二重に見える、進行する認知症など様々な症状を認めます。また、脳血管へ血液の逆流が存在する場合には、高率に脳出血やくも膜下出血を引き起こします。血管内治療による塞栓術や開頭術による流出血管遮断術により、根治を目指します。

硬膜動静脈瘻塞栓術の一例

塞栓術前(正面、側面)

塞栓術後(側面)

脳腫瘍

脳腫瘍は頭痛、めまいや手足の麻痺や感覚の異常、けいれん発作、難聴などで見つかることがあります。良性から悪性のさまざまな腫瘍があり、治療方法も様々(摘出術、放射線治療、化学療法、塞栓術など)です。MRIでの診断が有用ですので、気になる症状がある方はご相談ください。

様々な脳腫瘍の例(MRI)

下垂体腫瘍(視神経の圧迫)

髄膜種

聴神経腫瘍

神経膠芽腫

顔面けいれん・三叉神経痛

顔面けいれんは片側の瞼(まぶた)や口角が無意識に動いてしまう病気で、悪化すると顔がひきつったままゆがんでしまいます。顔面神経(顔の筋肉を動かす神経)が脳の血管に圧迫されて神経が興奮状態となっていることが原因となります。内服薬は効果が乏しく、ボトックスとよばれる顔の筋肉を麻痺させる注射を行う方法もありますが効果は一時的です。根本治療を望まれる場合は手術を行います。
三叉神経痛は片側の顔面の強い痛みや歯の痛みで発症します。顔に風が当たるだけでも痛い、歯が痛くて虫歯の治療をしたのに痛みが続いているという方は三叉神経痛の可能性があります。三叉神経痛の場合、様々な原因がありますが、三叉神経(顔の知覚の神経)が脳の血管で圧迫されて起きていることがあります。三叉神経痛は薬物療法が有効な場合が多い反面、ふらつきや眠気、重症薬疹(アレルギー)などの薬の副作用のため、満足な治療が受けられないこともしばしばあります。手術は根本治療となり、症状の治癒が期待できます。また、第三の治療として放射線治療(ガンマナイフ、サイバーナイフ)もあります。

(顔面けいれんと三叉神経痛の外科的治療について)
神経を圧迫する血管を移動させる手術を行います。直径3cm程度の小さな開頭での手術(鍵穴手術)です。当院の手術方法は、手術中に脳ベラ(脳を牽引してよけるためのヘラ)を使用しないため、脳神経への負担が少なく、聴覚障害などの合併症を回避しやすい方法であることが特徴です。顔面のけいれんや顔面の強い痛みでお困りの方は一度ご相談ください。

神経減圧術(三叉神経痛)の一例

神経減圧前

神経減圧後

慢性硬膜下血腫

ご高齢の方に多く見られる病気です。1-3か月前の軽微な頭部打撲などの後に起こることがあります。また、アルコールをたくさん摂取される方、血をサラサラにするお薬(抗凝固薬や抗血小板薬)を飲まれている方にも多く見られます。頭部打撲の後に、認知症のような症状や歩行障害、片側の手足の麻痺などが出現することがあります。局所麻酔による穿頭術を行うことにより症状は改善します。頭部打撲の方はご相談ください。

慢性硬膜下血腫の一例

術前CT:右側に血腫の貯留あり、血腫による脳の圧迫を認める

特発性正常圧水頭症(iNPH)

ご高齢の方に多く見られる病気です。ゆっくりと進行する病気で、歩行障害、認知障害、尿失禁の症状がみられることがあります。適切な画像検査や髄液検査(腰椎穿刺:タップテスト)を行うことで正確な診断をすることができます。脳脊髄液を体の違う場所(頭からお腹、腰からお腹など)に流してあげるシャント(短絡)術を行うことで症状が改善します。気になる症状がある方はご相談ください。

片頭痛治療のご相談ができます

片頭痛は脈打つような強い頭痛発作が繰り返される病気です。頭痛のために日常生活や仕事が制限されてしまうこともしばしばあります。

片頭痛治療は大きく分けて2つ、1つは頭痛発作が起きた時に頭痛をとめる薬、もう一つは頭痛を予防し、頭痛の回数を減らす薬です。頭痛発作をとめる薬はトリプタン製剤という特効薬があります。一方、予防薬は様々ですが、効果がいまひとつの方も多いです。

2021年4月から、片頭痛発作の発症抑制薬として、エムガルティ(一般名:ガルカネズマブ)という新薬が保険適応で使用できるようになりました。高額ではありますが、従来の治療では効果が不十分な方に、発作抑制効果が期待できる薬です。当院の脳外科または神経内科で処方可能です。エムガルティによる治療をご希望の方はまず、一度ご相談ください。(ただし、小児では使用できません。その他、薬剤準備などの制約がありますので、外来受診当日には使用できません。)

※初回の注射は2倍の量を使用します

画像診断装置について

柏たなか病院の画像診断装置
・CT(TOSHIBA) 1台
・MRI 1.5T(TOSHIBA)、3.0T(SIEMENS) 2台
・血管撮影装置

2021年5月に最新の血管撮影装置(SIEMENS社製ARTIS icono D-Spin)を導入し、24時間/365日で緊急の検査と治療が実施可能な体制で診療を行っております。
また、柏たなか病院のARTIS icono D-SpinにはRAPIDシステムが導入されており、24時間以内の急性期脳梗塞治療における脳灌流画像評価を実施することができ、正確かつ迅速な治療適応の判断が可能です。

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スタッフ紹介

担当医

脳神経外科部長代理 川内 雄太 (かわうち ゆうた)
最終学歴 久留米大学医学部医学科
経 歴 昭和大学医学部脳神経外科 助教
山梨日本赤十字病院脳神経外科
昭和大学江東豊洲病院脳神経外科
都立神経病院脳神経外科
東京都立荏原病院脳神経外科
所属学会 日本脳神経外科学会
日本てんかん学会
日本脳卒中学会
日本脳卒中の外科学会
日本臨床神経生理学会
資格(専門医等) 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本てんかん学会 専門医
VNS認定医
専門分野 脳神経外科一般の外科手術(脳腫瘍・頭部外傷・水頭症など)
てんかん
脳神経外科医 飯塚 一樹 (いいづか かずき)
最終学歴昭和大学大学院 医学研究科外科系脳神経外科学
昭和大学 医学博士
経 歴昭和大学医学部脳神経外科 助教
横浜市北部病院脳神経外科 助教
昭和大学藤が丘病院脳神経外科 助教
都立神経病院脳神経外科
AOI国際病院脳神経外科
東京労災病院脳神経外科
昭和大学江東豊洲病院脳神経外科 助教
所属学会日本脳神経外科学会
日本脳神経血管内治療学会
日本脳卒中学会
資格(専門医等)日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会 専門医
日本脳卒中学会 専門医・指導医
専門分野脳神経外科一般の外科手術(脳腫瘍・頭部外傷・水頭症など)
脳血管障害の外科手術・脳血管内手術・脳卒中
脳神経外科医 野口 伸一朗 (のぐち しんいちろう)
最終学歴杏林大学 医学部
経 歴昭和大学医学部脳神経外科 助教
昭和大学旗の台病院 脳神経外科
所属学会日本脳神経外科学会
資格(専門医等) 
専門分野脳神経外科一般

手術連携病院 医師紹介

手術連携病院 医師紹介②
手術連携病院 医師紹介②