内視鏡室
AOI国際病院の内視鏡室では消化器内科・消化器外科および呼吸器内科医が連携して、消化管および気管・気管支の内視鏡検査と治療を行っています。消化管 の内視鏡検査は上部消化管内視鏡と下部消化管内視鏡に分かれますが、少し特殊なものとして、内視鏡をつかって 胆道や膵管の状態を調べる内視鏡的逆行性膵胆管造影という検査も施行しております。気管・気管支内視鏡は、文字通り気管から気管支に内視鏡を挿入し、レントゲン透視を利用して呼吸器疾患の診断・治療を行う検査です。
各検査が対象とする主な疾患は以下の通りです。
対象疾患
上部消化管
食道癌・胃食道逆流症・逆流性食道炎・食道胃静脈瘤・胃癌・胃悪性リンパ腫・胃十二指腸潰瘍・胃ポリープ・胃炎・ヘリコバクターピロリ感染性胃炎など
下部消化管
大腸癌・大腸ポリープ・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病・腸結核など)など
内視鏡的逆行性膵胆管造影
総胆管結石・胆道癌・膵癌など
気管・気管支内視鏡
肺癌・各種炎症性呼吸器疾患など
診療の実際
胃食道検査
上部消化管の検査は、前日の夕食を早めに摂ったあと絶食にするだけで翌朝の検査が可能です。また水やお茶な どの透き通った飲み物は少量なら検査の1~2時間前まで摂取可能です。検査はのどに局所麻酔薬を含んで頂き、出来るだけ検査を楽に受けて頂くために鎮静剤 を注射します。
また、鎮静剤を使用しない場合には、細径のファイバースコープによる経鼻内視鏡検査も数多く行っております。最近は、経鼻内視鏡の件数の方 が多くなっております。通常の観察に要する時間は数分程度です。
大腸検査
下部消化管の検査では下剤を飲んで頂き腸の中をきれいにしておく必要があります。検査の4~5時間前から、 洗腸液と呼ばれる薬を1.5~2リットル程飲んで頂きます。しかし量が多く、味も決して美味しいとはいえないものなので、飲めない方には別の薬を使うこと もあります。
通常の観察なら15分程度で終わります。当施設ではなるべく苦痛がなく検査が行えるように炭酸ガスによる送気、または無送気で行う浸水法を 行っておりますのでむしろ大腸鏡検査の方が胃内視鏡検査より楽だという声を聞いております。また、なかなか休みが取れない方のために、胃、大腸を同時に検査する上下部内視鏡検査も行っておりますのでご利用ください。
内視鏡的逆行性膵胆管造影
内視鏡的逆行性膵胆管造影は原則的に入院での検査になります。内視鏡的に胆道ドレナージを行なったり、内視鏡的に乳頭切開を術を行い総胆管結石を砕石する特殊技術も備えております。詳細は主治医から説明がありますので、よく相談ください。
気管・気管支内視鏡検査
気管・気管支内視鏡は入院で行なう事が一般的ですが、検査の目的によっては外来で行なうことも可能です。の どの麻酔を行い、内視鏡を使って気管および気管支の内腔を観察し、必要に応じて気管支内の痰および細胞成分や組織を採取します。
気管支鏡検査は肺がんの早 期発見に有用であり、検診で疑われた場合には担当医に相談していただき、迅速に安全に楽に行っておりますのでこちらも御利用ください。
最後に
当院では内視鏡検査および治療にあたって、患者さんの年齢・病状・性格や検査の目的を考え、個々の患者さん にとって最も安楽で危険が少なく、それでいて最大の成果をあげられる内視鏡を心掛けています。
内視鏡は恐いというイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、そうしたイメージを少しでも払拭できればと考えています。